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~プロデュース・マネジメント~

『組織マネジメントの研究Vol.17』【マネジメントの組織③】

テーマ毎のまとめ(マネジメント『基本と原則』/P.F.ドラッガー)

13.マネジメントの組織③

【1】組織の条件
●組織構造の種類
仕事を中心とした組織構造として、『職能別組織』『チーム型組織』の二つがある。
成果を中心とした組織構造として、『分権組織』『疑似分権組織』の二つがある。
関係を中心とした組織構造として、『システム型組織』がある。

●組織の条件
いかなる組織構造であっても、最小限持たなければならない条件がある。

①明快さ
組織マニュアルの助けなしでは、自らの所属や行くべきところ、あるいは自らの位置がわからない組織構造は、無用の摩擦、時間の浪費、論争や不満、意思決定の遅れをもたらす。そのような組織構造は、成果をあげる助けとなるどころか障害となる。

②経済性
組織構造の経済性は、明快さと密接な関係にある。人を成果に向けて動かすために必要なものは少なければ少ないほどよい。優れた組織構造とは、自らをマネジメントし、自らを動機づけられる組織である。すなわち、マネジメント、組織、管理、コミュニケーション、人事など、組織を動かすことに時間を使うことが少ないほどよい。特に高い業績をあげる能力を持つ者が、それらのことに煩わされることが少ないほどよい。

③方向づけの容易さ
組織構造は、組織の中の人間や組織単位の関心を、努力ではなく成果に向けさせなければならない。成果こそ、すべての活動の目的である。成果や業績によって評価される者の数を可能なかぎり増やさなければならない。仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。

④理解の容易さ
自らの仕事が組織全体のどこに位置し、逆に全体の仕事が自らの仕事、貢献、努力にとって何を意味しているかを理解できるようになっていなければならない。組織構造が組織内のコミュニケーションを助けるものでなければならない。

⑤意思決定の容易さ
組織構造が意思決定のプロセスを強化していなければならない。常に高いレベルで意思決定を行わざるをえなくなっている組織構造は、意志決定にとって障害以外の何ものでもない。
組織構造いかんによって、意思決定を組織の活動や個人の仕事に移すことが容易となり、あるいは困難となる。

⑥安定性と適応性
組織はすべて、かなりの程度の安定を必要とする。周囲の世界が混乱の渦中にあっても活動を続けなければならない。昨日の成果のうえに立って活動していかなければならない。自らの未来と自らの存続のために計画を立てなければならない。自分の知っている人、自分を知っている人がおり、他の人との関係が定着しているコミュニティが必要である。安定性とともに新しい状況、条件、顔、性格への適応性が組織構造の重要な条件である。

⑦永続性と新陳代謝
組織は永続できなければならない。同時に新陳代謝できなければならない。この二つの条件から多くの要求が派生してくる。

組織は、明日のリーダーを内部から調達できなければならない。階層の数よりも重要なのは、組織構造が与える経験の種類である。組織構造は、組織内の人材が仕事を通じて学び、成長していくことを助けるものでなければならない。継続学習が可能でなければならない。

 

●トレードオフとバランス(何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない関係)
これらの組織構造に関わる条件は、あらゆる組織に適用される。企業以外の組織、すなわち公的機関にも適用される。

また、企業内における三つの活動のいずれにも適用される。すなわち、①今日の仕事を行い、今日の成果に責任を持つ活動②明日に責任を持ち革新する活動③今日と明日の活動に方向づけを行い、ビジョンを与え、とるべき方向を決定するトップマネジメントの活動のいずれにも適用される。

これら組織構造として満たすべき条件のなかには、時として互いに相容れないものがある。すべての条件を常に完全に満足させる組織構造はない。しかし、いかなる組織といえども、成果をあげ永続することを欲するならば、これらの条件のすべてをかなりの程度満足させなければならない。ということは、トレードオフとバランスが必要になるということである。たとえ単純な組織であっても、いくつかの組織構造を同時に適用することが必要となる。そうでなければ、成果をあげれなくなるからである。したがって組織構造を設計するには、五つの組織構造すべてについて、その内容、要求、限界、適性を理解しておくことが不可欠である。


【2】五つの組織構造
●仕事を組織する方法
すべて仕事は三通りの方法で組織できる。

・第一に、仕事は段階別に組織できる。
・第二に、仕事は技能別に組織できる。
・第三に、仕事自体は動かさず、異なる技能や道具を持つ人たちが一つのチームとして働く。

職能別組織技能別組織と定義されてきたが、段階別組織でもある。

職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を仕事が動く。

チーム型組織では仕事が固定される。各種の技能と道具を持つ者が、一つのチームとしてビルの設計や研究開発などの仕事や課題を遂行する。

仕事は、常になんらかの形において組織される。職能別組織チーム型組織のいずれかの設計原理に基づいて組織される。職能別組織とチーム型組織の双方を必要とすることも多い。したがって、あらゆる組織が、この二つの組織構造を理解しておかなければならない。

●職能別組織
①職能別組織の性質
明快さにおいて優れている。誰もが自らに与えられた課題を理解する。安定している。

しかし、組織全体の目的を理解し、各人の仕事をそれに結びつけることが難しい。硬直的であって適応性に欠ける。組織の明日を担う者を育て、訓練し、テストするにも適していない。やがて、帝国と化す。ベルリンの壁によって細分化された組織となる。

職能別組織は意思決定に関しても貧弱な組織構造である。本当の意思決定を行えるのは、組織全体のトップ以外の者ではありえない。全体を見渡すことのできるのはトップだけである。

その上、職能別組織は、マネジメントに適さない人間をつくる成果よりも技能に重点を置いているからである。優れた技能を持っているほど、マネジメントの意味を軽く見る。それだけ明日のマネジャーを育てることが難しくなる

②職能別組織の適用範囲
適用範囲は、現業の仕事に限られる。

トップの仕事は職能別に組織することはまちがいである。トップの弱体化を招く。

イノベーションの仕事については、さらに無力である。イノベーションのための仕事を職能別に組織することは不可能である。

●チーム型組織
①チーム型組織の性質
チームとは、異なる技能、知識、背景を持つ人、しかも本来異なる分野に属しながら、特定の仕事を果たすためにともに働く人の集まりである。それもかなり通常小人数である。チーム型組織にはリーダーがいる。しかし実際にはチームを指揮する者は、仕事の段階や要求によって変わっていく。チームには上司も部下もない。成果はチーム全体の責任である。

②チーム型組織の長所と限界
優れた点は、メンバー全員、チーム全体の仕事が何であり、自分の責任が何であるかを知っている。新しい方法やアイデアも容易に受け入れられる。事態の変化にも容易に対応できる。

チームは、トップマネジメントの仕事に関しては、現在のところ最高の組織構造である。事実、それはトップのための唯一の組織構造といってよい。イノベーションのための仕事にも最適である。

だが、いくつかの大きな欠陥がある。明快さや安定性に欠ける経済性も悪い。人間関係、仕事の割当て、説明会、会議、コミュニケーションなど、チームの内部管理に絶えず気を配らなければならない。エネルギーの相当部分が、単に仕事を進めることに費やされる。

チーム型組織の限界は規模にある。メンバーの数が少ないときは有効に働く。あまり大きくなると、チームの利点たる柔軟性やメンバーの責任感が急速に減少し、成果をあげられなくなる。同時に、チームの欠陥たる組織構造の明快さの欠如、コミュニケーションの不足、内部管理や人間関係への過度の関心が致命的になる。

チーム型組織は、必要不可欠であるが、あくまで補完的である。チーム型組織は、職能別組織を有効に動かすうえで必要となる補完的な組織構造である。

職能別組織に対する補完的な組織構造としてのチーム型組織が最大の貢献を果たす領域は、知識労働の領域である。知識組織においては、組織のなかの人間の拠点としての職能別組織と、仕事の場としてのチームの双方を使い分けることが必要とされる。知識が進むということは、それだけ専門分化するということである。専門分化した知識は、それだけでは何ら用をなさない断片にすぎない。専門知識は、他の人の知識と結合するとき、初めて生産的になる。高度の知識が成果に結びつくのはチーム型組織においてである。

チーム型組織は、自己規律を必要とする難しい組織である。そこには限界もある。欠陥もある。しかし、一つの立派な組織である。

●連邦分権組織
①連邦分権組織の性質
連邦分権組織によって、組織はいくつかの自立した部門に分割できる。それらの自立した部門は、それぞれの業績と組織全体への貢献に責任を持つ。それぞれが独自のマネジメントを持つ。

連邦分権組織の視点は、職能別組織やチーム型組織とは違う。後者は仕事からスタートする。成果は活動の総和であると仮定する。

これに対し、連邦分権組織は成果からスタートする。何よりも事業の適切さに重点を置く。成果、特に市場において成果をあげるうえで最適な事業部門をつくる。

②連邦分権組織の利点
今日のところ、連邦分権組織に勝る組織構造はない。この組織は極めて明快且つ経済的である。事業部門それぞれの人間が、自らや自らの属する事業部門の課題を容易に理解できる。高度に安定しながら、適応力も十分にある。マネジャーの目と力を直接、事業の業績と成果に向けさせる。最大の利点は、明日を担うマネジャーの育成にある。連邦分権組織だけが、やがてトップマネジメントの責任を担うべき者を育成し、テストできる。この一事だけでも、連邦分権組織は他のいかなる組織構造よりも優れている。

●トップの役割
事業部門は、本社のトップマネジメントから独立した自治的な存在でなければならない。事業部門がいかに大きく重要であっても、トップマネジメントがそれらのマネジメントに手を出してはならない。逆に言うならば、本社のトップマネジメントが本来の仕事をできるようにすることが、自立した事業部門のマネジメントの責任である。トップマネジメントに何を知らせるかを徹底的に考えることが、事業部門を率いるものの責務である。

連邦分権組織といえども、全体が共通のビジョンを持つ必要がある。その自治は、全体の業績をあげるための手段にすぎない。まさに事業部門のマネジャーは、大幅の自治を与えられているがゆえに、自らが全体の一員であることを自覚しなければならない。

●疑似分権組織
①疑似分権組織の性質
大組織の多くは、事業ごとに分割することが不可能である。しかしそれは、職能別組織やチーム型組織とするには大きすぎる。それらの組織こそ、疑似分権組織を採用すべき組織である。

疑似分権組織は、事業でないものを事業であるかのように組織する。分権化した組織単位に可能な限り自治権を与え、独自のマネジメントを持たせ、少なくとも疑似的な損益について責任を持たせる。科学産業や材料産業に見ることができる。

②疑似分権組織の問題点
疑似分権組織は、多くの点で不満足な組織構造である。そもそも成果に焦点を合わせることが困難である。組織のなかの人間一人ひとりが、自らの仕事の意味を理解することも困難である。組織全体の仕事を理解することも困難である。

疑似分権組織は、経済性、コミュニケーション、意思決定についても、好ましくない組織構造である。それらの弱点は、疑似分権組織の構造上やむをえないものである。疑似分権組織において分権化される組織単位は、本当の意味での事業ではなく、その成果も、市場での成績によって評価できるものではない。成果は市場によってではなく、組織内部の意思決定によって左右される。すなわち、帳簿価格や費用配賦の仕方によって、大きくも小さくもなる。

③疑似分権組織適用の原則
重要なことは、疑似分権組織は最後の手段であるとの認識である。組織が小さく、職能別組織とチーム型組織の組み合わせで十分なときには、疑似分権組織を採用すべきではない。職能別組織を基本とすべきである。逆に組織が大きい時には、連邦分権組織の適用を原則とすべきである。しかし、各部門間の連携が必要でありながら分権して責任を持たせなければならないとき、特に市場の論理が技術や生産の論理と一致しないとき、疑似分権組織は、その制約、弱点、危険にかかわらず、組織構造としてもっとも有効である。

●システム型組織
①システム型組織の登場
システム型組織は、きわめて特殊なマネジメントの問題、すなわち、60年代アメリカの宇宙開発のための組織構造として発展した。

システム型組織は、チーム型組織を発展させたものである。チーム型組織では構成単位は個人だが、システム型組織では多種多様な組織と個人である。政府機関、大小の企業、大学、研究者個人である。

②システム型組織の問題点
システム型組織ほど条件の厳しい組織構造はない。

(1)組織の目的が明確でなければならない。
この目的成るものがよく変化する。急に変化する。「自分たちの事業は何か、何であるべきか」を十二分に検討したときにかぎり、システム型組織は有効に機能する。

(2)コミュニケーションについて、組織の構成単位のすべてが責任を持たなければならない。
システム全体の基本的な目的、目標、戦略が全員に理解されるよう最大の注意を払わなければならない。同時に、あらゆる種類の疑問とアイデアが受け付けられ、注意して聞かれ、重視され、検討され、理解され、結論をださなければならない。

(3)組織の構成単位のすべてが、自らの目標以外のことにも責任を持たなければならない。全構成単位がマネジメントの責任を果たさなければならない。責任を伴う高度の裁量権、イノベーションを行う機会、計画を変更する権限を持たなければならない。システム全体で何が行われているかを知るために不断の努力をしなければならない。

【3】組織構造についての結論
組織構造の設計は、理想からスタートすべきか、現実からスタートすべきかが長い間議論されてきた。いずれのアプローチも必要である。並行して使わなければならない。適用が難しくなく問題を起こさない組織構造はない。組織構造は道具である。道具自体によい悪いはない。適切に使うか使わないかである。現実にあった組織構造を手にするには、重要な成果を生むために必要な基本活動に焦点を合わせなければならない。重要なことは、組織の目的を常に念頭に置くことである。組織構造は目的達成のための手段である。

 

要点整理

【1】組織の条件
●組織構造の種類
仕事を中心とした組織構造として、『職能別組織』『チーム型組織』の二つがある。
成果を中心とした組織構造として、『分権組織』『疑似分権組織』の二つがある。
関係を中心とした組織構造として、『システム型組織』がある。

●組織の条件
①明快さ、②経済性、③方向づけの容易さ、④理解の容易さ、⑤意思決定の容易さ、⑥安定性と適応性、⑦永続性と新陳代謝

●トレードオフ(何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない関係)
単純な組織であっても、いくつかの組織構造を同時に適用することが必要となる。そうでなければ、成果をあげれなくなるからである。したがって組織構造を設計するには、五つの組織構造すべてについて、その内容、要求、限界、適性を理解しておくことが不可欠である。

【2】五つの組織構造
●仕事を組織する方法
すべて仕事は三通りの方法で組織できる。

・第一に、仕事は段階別に組織できる。
・第二に、仕事は技能別に組織できる。
・第三に、仕事自体は動かさず、異なる技能や道具を持つ人たちが一つのチームとして働く。

仕事は、常になんらかの形において組織される。職能別組織』と『チーム型組織』のいずれかの設計原理に基づいて組織される。職能別組織とチーム型組織の双方を必要とすることも多い。したがって、あらゆる組織が、この二つの組織構造を理解しておかなければならない。

①職能別組織
明快さはあるが、硬直的適応性に欠ける。意思決定に関しても貧弱。明日のマネジャーを育てるのが難しい。

②チーム型組織
異なる分野にいながら、特定の仕事をするための集まり。仕事、責任明確イノベーションしやすい。トップマネジメントの仕事において最高の組織構造。職能別組織の補完的組織
明快さ、安定性、経済性に難がある。メンバーが多いと機能不全に陥る。

③連邦分権組織
連邦分権組織に勝る組織構造はない。成果からスタート。事業部門に分割でき、それぞれが自立し独自のマネジメントができる。明快安定しており、経済性もある。連邦分権組織だけが、やがてトップマネジメントの責任を担うべき者を育成し、テストできる。

④疑似分権組織
重要なことは、疑似分権組織は最後の手段であるとの認識である。事業でないものを事業であるかのように組織する。可能な限り自治権を与え、独自のマネジメントを持たせ、少なくとも疑似的な損益について責任を持たせる。本当の意味での事業ではなく、その成果も、市場での成績によって評価できるものではない。成果は市場によってではなく、組織内部の意思決定によって左右される。組織が小さく、職能別組織とチーム型組織の組み合わせで十分なときには、疑似分権組織を採用すべきではない。組織が大きい時には、連邦分権組織の適用を原則とすべきである。

⑤システム型組織
チーム型組織を発展させたものである。チーム型組織では構成単位は個人だが、システム型組織では多種多様な組織と個人である。条件が厳しい。(1)組織の目的が明確でなければならない。(2)コミュニケーションについて、組織の構成単位のすべてが責任を持たなければならない。(3)組織の構成単位のすべてが、自らの目標以外のことにも責任を持たなければならない。

【3】組織構造についての結論
組織構造の設計は、理想からスタートすべきか、現実からスタートすべきか。いずれのアプローチも必要である。並行して使わなければならない。組織構造は道具である。現実にあった組織構造を手にするには、重要な成果を生むために必要な基本活動に焦点を合わせなければならない。重要なことは、組織構造は目的達成のための手段である。

 

所 見

●組織構造の根本的な考え方
ドラッガーが最後に述べている通り、組織構造は、目的達成のための手段であり、重要な成果を生むために必要な基本活動に焦点を合わせなければならないと思う。そういう意味では、現実からのスタートは必須である。なぜならば、理想のみに執着して組織が構築された場合、コミュニケーション、意思決定、迅速性、経済性などに不具合が生じ、成果が残せなくなることがあるからだ。理想は、観点として、分析的に活用するための物差しとして必要だと思う。

●職能別組織だけではダメな理由
大小を問わず、ほとんどの場合、職能別、チーム型組織は必要となると思う。まさに、成果を残すためには、チーム型の補完は必要になる。逆に言えば、チーム型が無い組織は、極めて硬直的でイノベーションが無く、組織そのものがベルリンの壁のような雰囲気を出してしまうことがある。もっと言えば、マネジメントが欠落している組織になると思う。より質の高いものを提供しようとしたり、イノベーションを起こそうとすれば、チーム型は必須となる。

●トップマネジメントを育てる上で必要な経験となる連邦分権型組織
少し大きくなれば、連邦分権型組織も必要となる。ドラッガーも述べている通り、そのような組織では各々の事業において、自立したマネジメント、トップマネジメント的な要素が必要となる。すなわち、スーパージェネラリスト的な能力、全てを総合的な考え、方向性を決めていく強い意思決定能力が求められる。

それらを経験しないで、いきなりトップマネジメントを任せるべきでも、引き受けるべきでもない。一つの事業全体のリーダーとしてのマネジメントの経験なくして、トップマネジメントはできない。必ずといっていいほど失敗するのではないかと思う。一つの支店、事業所、営業所の長レベルでやることと、さらにそれらをまとめて事業全体をマネジメントするのとでは、全く次元が違う。話上手くらいではどうにもならない。保守的な人間では務まらない。革新的でなければならない。アクティブな人間でなければならない。常時押し寄せるプレッシャーと友達にならなければならない。人として全体をまとめ、経営状況を分析し、内外の情報を分析し、方針を出すことは、より高いレベルでの人間としての深さと広さを必要とする。結果は全て自分に跳ね返ってくる。ものの見方の次元を変える必要がある。連邦分権型組織全体のトップマネジメントをする上で、一つの事業全体の長を経験し、実績を上げることが不可欠である。

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