『日本の未来をリードし得る新しい働き方』が法人格として10月に施行~勉強会に参加~
これからの日本の未来をリードし得る新しいカタチの働き方が法人格として10月に施行されます。
その働き方とは、『労働者協同組合法』という新しい法人格です。
私自身が実践、体験してきた感覚、そして、マネジメントの視点で表現すると、
『一人ひとりの人間の潜在的な力を最大限引き出し、最高の結果を導き出すことができる究極の組織形態』を法人格としたものです。
F(フラット型)マネジメントの研究所の考え方のルーツであり、私のマネジメントの考え方の土台にあるものです。
長年ワーカーズコープ・センター事業団が実態をつくり、法制化運動をしてきました。
昨年、マネジメントの父、P.F.ドラッガーの研究を半年かけてやりました。当サイトのブログにもアップしましたが、本物のマネジメントとは、「特有の使命を果たすために賛同した仲間一人ひとりが個性(強み)を発揮し、その個性(強み)を生産的なものにし、その力を統合させ、社会に還元していくこと。」になります。そして、まさに、この法人格がそれを可能にし得るものだと確信しています。
先日、その勉強会(NPO法人しが生活支援者ネット主催のオンライン講座『協同労働による仕事おこしと就労支援』)に参加させていただきました。
講師は、私の元上司で、尊敬するワーカーズコープ連合会の田嶋康利専務理事が務めました。
また、既に法制化(生活困窮者自立支援制度〔2015年施行〕)は果たしましたが、パーソナル・サポート・サービスモデル事業、生活困窮者自立支援モデル事業で法制化のために一緒に汗水を流して闘った野洲市役所のスーパー公務員の生水さん、宇都宮さんらも主催者側で参加していたので、久しぶりにお会いすることもでき、とても刺激のある会でした。
この法人の特徴は、「働く者が自ら出資し、労働し、経営もする」という運営方式で、雇わず、雇われない対等な関係で経営を行う方式です。
私自身、約15年位前に、この法律制定のために、当時の同僚、関係者と協力して、県内の議会をかけずりまわった経験があります。様々な方々の協力を得て、沖縄県議会を含む30以上の市町村議会で『労働者協同組合法制化を求める意見書』を全会一致で採択していただき、国へ届けることができました。全会一致なので、保守から革新まで全ての党、会派が賛同したということになります。その他の取組みとして、当時、その法制化を求めるためのフォーラムも開催しましたが、県内国会議員も5名参加。300名以上が参加し大盛況でした。それくらい、当時から人々には響く内容でした。
あれから約15年。時流の大きな変化が後押ししたのではないかと思っています。それは、物質主義から、精神主義への大きな人間観の転換。人の求める幸せの尺度が徐々に変わってきたのではないかと思います。
この法人格を活用し、マネジメントをしていく上で留意すべきことがあります。全員で平等に経営していくということは、自由な風土を生みますが、それぞれが感情任せに意見を言えば良い、自分勝手に行動すれば良いというものではないということです。それは個の尊重とは違います。個を尊重しながらもお互いに貢献しあう関係、責任をもつ関係が必要です。このような労働者協同組合法に基づく組織形態、フラット型で運営するには、互いに成熟した人間性が求められてきます。そして、お互いの失敗や挫折も含めて、人間を丸ごと受け止める関係性が必要になってきます。多数決よりも、心と心のぶつかり合い、対話のプロセスが大切になってきます。むしろ一般の組織よりも高度なマネジメント力、もっと言えば、セルフマネジメント力が問われてくると思います。また、自分自身が生きている実感を得ることができる、自己実現を可能とする組織形態だと思います。
マネジメントの視点で見ると、もちろん、リーダーはいるのですが、全員がマネジメントスタッフになります。原則的な考え方として、一人ひとりを人間として尊重され、役割があり、全体として進めていくので、トップマネジメントは、高度なマネジメント力が必要になります。それは、個性集約型のマネジメントだからです。しかし、組織としてきちんと機能した場合、最高のパフォーマンス、究極の結果を引き出すことができます。
私は、この10年間、実践を通じて研究を重ねてきましたが、そのことを確信しています。
「フラット型経営」、「フラット型の組織運営」、そして、「個性集約型のほんもののマネジメント」が益々求められる時代となることを期待してやみません。
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